16cmの高さ 丸彫り坐像の和泉砂岩の地蔵 精巧なもの
禿頭の背後に花弁をつけ、背から頭部にかけて丸く光輪が彫り抜かれている。衣紋の自然な流れ、左手は小指をかすかに曲げて宝珠を持ち、五本の指には小さな小さな爪さえ彫られている。右手の指を丸めた中は彫り抜かれ、戦前まではそこに竹串ほどの長さの金か銀の錫杖がはめ込んであったという。石の尺八を作ったときの技術からすれば、体軀から離した指を丸く穿つことも、佐吉にとってさして難しいことではなかっただろう。
----金森敦子著「旅の石工 丹波佐吉の生涯」法政大学出版局 1988、9、20 昭和63年-----より
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